ストイックな世界観とハードなゲーム展開が魅力。 これぞ漢ゲー!

NAM-1975
SNK ネオジオ
1990年に登場した、記念すべきネオジオソフト第一弾。
SNKがまだ男くさく、高難易度なゲームを連発していた時代。
このゲームも例に漏れず、ベトナム戦争を題材にした非常にハードな世界観のゲームでした。
ストーリーは、ベトナム軍にとらわれたドクター・マックリーと、その娘のナンシー救出しにいくというもの。
なんといってもウリは、当時にしては大容量の48メガ(ビット)を使ったリアルなグラフィック。
はじめてプレイした時はその細かい動きに驚いたものです。
最近では同社の『メタルスラッグ』シリーズが細かい書き込みとキャラの動きで有名ですが、このゲームはそのルーツともいえるでしょう。
主人公の動きだけでも何十パターンもあり、銃弾を受けて死ぬシーンだけとっても10パターン以上のアニメーションを使っていました。
他にも燃えて死ぬ、吹っ飛ばされる、毒ガスでもがき苦しむ、熱線で骨だけになるなど、プレイヤーのやられパターンだけでもさまざまです。
もちろん敵キャラ達も多彩な動きで楽しませてくれました。
最も有名なのは、オプションキャラとして一緒に戦ってくれる女性。
名前は忘れましたが、赤いスリット入りのドレスを着た妙に色気のあるその女性は、どう見ても戦場には不釣合いなカッコと動きでかなり違和感ありでした(笑)
他にも、銃で建物などを撃つとそこには弾痕が残るなどの細かい所にもこだわっています。

さて、ゲームのシステムが少々変わっていて、横スクロール3Dシューティングというものですか。
ガンシューティングとアクションを足したような感じです。
画面は奥の方に照準、手前の方にプレイヤーキャラが表示されていて、レバーを使ってこの二つを同時に操作していきます。
プレイヤーは左右にしか移動できません。
そしてライフ制ではなく一発死にタイプです。
Aボタンで銃攻撃、そして押しっぱなしで連射攻撃。
通常では照準とプレイヤーは同時に操作しますが、連射攻撃の際には照準のみを動かす事が出来ます。
Bボタンが弾数制限ありだが破壊力の大きい手榴弾。
そしてCボタンが緊急回避。
Cはレバーとの組み合わせによって高速移動、一瞬無敵になる側転が行えます。
これらの攻撃を駆使してゲームを進めていきます。

このゲームは一般的に、当時のSNKを象徴するような超高難度なゲームだと認識されてました。
しかしながら、ここで誤解のないように言っておきますが、それはほとんどの人がCの緊急回避ボタンを使わないため、恐ろしく難しいゲームと感じていた様です。
というのも、このゲームはこの緊急回避ボタンをいかに使うかがゲームの勘所だったんですよね。
このゲームではCボタンを使いこなすと、実の所思ったほど難しいものではなく、ゲーム自体も面白さもグッと増します。
実際、緊急回避さえ使いこなせれば1コインクリアも十分可能です。
その証拠に私は今でも1コインクリアは楽勝ですし、当時はノーミスクリアも当たり前でした。
それに気付いている人があまりいなかったので、激ムズゲームとしての烙印を押されてしまったのはなんとも残念なことです。
Cボタンを使ってやってみたら面白いんだけどなあ。

このゲームを語る上で欠かせないのが、その演出。
ステージ間の通信等のデモでは、すべて英語(日本語字幕入り)でしゃべるので、雰囲気満点の演出です。
またゲーム展開も、突然の敵襲や、巨大戦闘機の接近、捕虜への尋問など、まるで映画のようなゲーム展開。
ストーリーもベトナム戦争を舞台にしてるだけあって全般的に暗く、シリアス。
この手のストイックで硬派な雰囲気が好きな人にとってはたまらないものでしょう。
かくいう私もこの渋い雰囲気(特にオープニングの機関銃掃射シーン)がツボにはまり、相当にやりこみまくったクチです。
前述した通り、Cボタンを使いこなす事が出来ればそれほど難しいゲームでは無くなるので、ワンコインクリアも程なく実現。
その後、クリアが簡単なのでヒマさえあれば一日に何度もクリアしてました。
音楽も全体的に渋めの感で統一されていて、ゲームに非常にマッチしています。
個人的に好きなのはステージ1の音楽ですね。

このゲームは当時にしてはかなりリアルなグラフィック、男臭いストイックな世界観、そしてCボタンを使った奥深いゲーム性と、ネオジオ第一弾としては完成度は折り紙付きだったと思います。
また、当時の硬派なSNKらしさというのがとてもよく現れていたソフトだと思います。
ただしかし、この後の『餓狼伝説』シリーズの出現に至るまでの一連のネオジオ作品たちは、稀に『ASOII』や『キングオブモンスターズ』等の良作もあるけど、ほとんどが超高難度でいまいちな完成度な作品が多かったのはとても残念だったと思います。

ちなみに余談ですが、この『NAM‐1975』、ラスト付近で映画『フルメタル・ジャケット』のワンシーンをそのまま書き写したような映像があるのには驚きました。
知ってる人いるかな?
さて、これはネオジオ全般的に言える事ですが、当時からの親切設計として、スタートボタンを押した直後には必ず簡単な操作説明が入っていたのには好感が持てます。
こういうシステムはどのゲームにも採用してほしいものですね。
最後に、このゲームは他の機種には移植されていませんので、やるならネオジオのロムかネオジオCDを購入するしかないでしょう。
2000年6月18日