まぎれもなくゲーム史に残る超名作!

HALF-LIFE
SIERRA(開発:Valve) Windows
『HALF-LIFE』(ハーフライフ)は、私が今までプレイしたPCゲームの中で、もっとも面白かったといえるゲームの一つです。
というか、おもしろすぎる!
今まで家庭用ゲーム機しかプレイした事のない人、もしくはまだこのゲームを未プレイの方は、一度でいいからプレイして、海外産のPCゲームがどれほど面白いものなのか体験すれ!と言いたいです!
ちなみにここでの説明はあくまで海外のPCゲームをあまりしない人、いわゆる家庭用ゲーム機ユーザー向けに書いたモノなので、PCゲームを良く知っている人にとっては『そんなの当たり前や!なにいっとんじゃい!?』というツッコミがあるかもしれませんが、そこらへんはご勘弁を。
なお、環境によっては、ここのスクリーンショットが暗くて見にくい事もあるので、その場合は画面の明るさを上げてご覧下さい。

ここをクリックすると、キャラと武器の紹介、ちょっとしたテクニック、エンディングなどに関する細かな情報のページへ
さて、ゲームの主なストーリーは次の通り。
少しネタバレです。
あなたの名前はゴードン・フリーマン(GORDON FREEMAN)
物理学者である。
この度、ニューメキシコ州にある米軍の秘密研究施設に新しく赴任し、この中の特殊物質研究施設の中で極秘のプロジェクトに参加する事になった。
その日も、他の日と変わらぬ1日であった。ちょっとしたコンピュータのトラブル以外は。
あなたはいつものように地下の研究施設へと出勤し、そんなトラブルを横目に防護スーツを身にまとって地下奥深くの実験室へと赴き、他の科学者達と共に特殊物質の研究と実験を開始した。
しかし、実験は失敗し、施設は大爆発。
それだけではなく、その衝撃により異次元世界へのゲートが開いてしまい、大量の異形の生物が流れ込んで来たのである。
爆発に巻き込まれたが運良く怪我ひとつなかったあなたは、破壊された研究施設をくぐり抜け地上へ脱出しようと試みる。
だが、施設内はすでにゲートから流れて来た異形のエイリアン達の巣窟と化し、多数の研究員達が彼らの餌食となっていたのだ。
その上、政府から隠密裏に派遣された軍隊が、機密保持のため、ゴードン・フリーマンを含む全研究所所員抹殺の使命を受け、施設内へとやってきたのである。
ブラックメサ研究所を舞台に、あなたとエイリアン、そして軍隊の、三つ巴の死闘が今、幕を開けたのである。

1998年に登場したこのゲームは、ありとあらゆる方面から絶賛の嵐を受け、海外では1998年度のあらゆるメディアのゲーム賞をほとんど総ナメにしました。
それは決して1998年度に出た他のゲームが面白くなかったわけではなく、この『HALF-LIFE』があまりにも面白すぎたからなのだとか。
これはプレイした事のある人ならば分かるはずです。
最初は私自身、このゲームに関しては名前すら知りませんでした。
まだネットも接続していなかったし、PCゲームもそんなに詳しくなかったので。
そんなある日、ちょうど新しいPCを買い替えたばかりの頃、なにかDOOMタイプのゲームでも買ってやってみようかなあという気分で、何気に『Tech
Win』という雑誌をパラパラと読んでいました。
そこで、このゲームの紹介記事をみつけたのです。
記事には『QUAKE IIよりもこちらの方が面白いという声も』というような紹介文が書いてあったんですが、しかし私の中で購入動機を決定付けたのは、武器から薬莢が次々に吐き出されている写真がとてもカッコよく映っていたのと、エイリアンを投げつけて攻撃という変わった武器が紹介されていたからでした。
で、このゲームを軽い気持ちで買ってからプレイしてみたんですが、これが衝撃的でしたよ。
プレイして、『こんな面白いゲームをなぜ今まで知らなかったんだ!』と思ったものです。
断言します。このゲームは絶対に買って損をしないのは確か!
パソコンを持っている人ならば、だまされたと思って一度プレイしてみてください。
また、このゲームを知らない人は、ぜひともこの記事を読んで、このゲームの凄さと面白さを知り、一刻も早くプレイしてほしいです。

このゲームはいわゆる『FPS』タイプのゲームです。
『FPS』ゲームとは、用語時点でも説明しているように、プレイヤーの視点がそのままゲーム画面になっている、いわゆる一人称視点のゲームです。
ゲームの舞台は先ほどのストーリー説明でも上げたように、とある軍用研究施設。時代は200X年となっているように、少し近未来ですね。舞台の雰囲気は、『バイオハザード』シリーズの後半で出てくる施設、もしくは『メタルギア ソリッド』のような感じでしょうか。
目的はただ一つ、『戦って生き延びる事』です。
次からは、このゲームのすばらしいと思う所を持ち上げていきます。

すばらしいストーリー展開と演出
ストーリー展開と演出ですが、とにかく秀逸の一言!
当時のFPSゲームといえば、とにかく敵を撃って倒すだけとアクション性のみが前面に押し出されていて、ストーリーや演出はさして重要ではない事が多かったのですが、しかし『HALF-LIFE』は違いました。
このゲームは、まず最初にリアルなストーリーと演出ありき、となっていたのです。
実際の所、次元の裂け目からエイリアンが現れるというのは今まで様々な映画や小説で使われたありきたりなネタであり、この時代においてはさして珍しくないストーリーだといえますが、しかしこのゲームはそこからの盛り上げ方が上手い。
そして、ストーリーを盛り上げるための演出も、映画顔負けなほど凝っているモノが多く、他のゲームとは一味も二味も違います。
例えば、通路を歩いていると突然轟音と共にあたりが激しく揺れ出す、壁の向こうから敵の話し声がおぼろげに聞こえる、歩いていると突然床が崩れ落ちる、先の通路で叫び声が聞こえたのでそこにいくとすでに死体の山が……。
など、これらがプレイヤーの進行に合わせてリアルタイムで次々と起きるので、プレイ中はこの先何が起こるのかというのが全く予想できず、次から次へと起こるサスペンスな展開がプレイヤーをゲームの世界にグイグイと引きこみます。
まさにゲーム中は二転三転する手に汗握るドラマチックなストーリー展開に、プレイヤーは一瞬たりとも目が離せなくなる事間違い無しです。
ぶっちゃけたハナシ、このゲームは大ヒットしたサスペンスやアクション映画に負けないくらい凝った内容を持ち、そして映画のそれとは違い、その優れた内容をあなた自身が自ら体験出来るゲーム、だといっても決して過言ではないと思います。

更にこのゲームはストーリーを盛り上げるための演出だけではなく、特に意識しないような部分に関しても非常に細かく作られているのが凄い。
いうなれば、非常に細かい部分にまで凝ったゲームだという事です。
例えばゲーム開始直後に出会う科学者達は、皆あなたに挨拶をしてきます。
また複数の科学者達が集まるとお互い勝手に口論を始めたりするし、彼らは臆病なのでプレイヤーが銃を撃ったりするとおびえたり、障害物や穴などがあると『これ以上行きたくない!』と言ったりします。
他にも、研究所を移動中に突然場内アナウンスが放送されたり、時には死にかけの科学者があなたに助けを求めてきたり、自動販売機からゴキブリが沢山出て来るといったシーンもあります。
また、プレイヤーのコンディションをコンピュータが音声で知らせてくれたり、死亡した時に『ピピッ、ピピッ、ピッ、ピッ、ピーー』と心音停止の音がするなど、ちょっとした部分での演出がとてもよく出来ている。
さらに、このゲームはリアルな演出を前面に出しているので、プレイヤーがゲーム中で手に入れる武器や弾薬などは、他のFPSゲームのようにそこらに無造作に置かれていたり浮かんでいたりする事はなく、大抵は死体の側で、木箱の中から、武器保管所で、人から手渡されたり、など、ごく自然に近い状況で手に入るようになっています。
時には、敵の武器を使って攻撃したりもします。
このようなあまり気に留めないような部分にまで細かく演出されているのがすばらしい。
中でも使用中のトイレを開けようとすると『ゴホンゴホン』というセキ払いの反応が返ってくるのと、自動販売機の調子が悪いので叩いている科学者がいたりするのには驚かされます。
まだまだ他にも色々あるのですが、あまり書くとネタバレでプレイ時の楽しみが半減すると思うので、これ以外の細かな部分は実際にプレイしてのお楽しみという事にします。
とにかく演出に徹底的にこだわったこのゲームは、単にドンパチをやらかすだけのシンプルなFPSゲームとは一線も二線も画したモノだといえます。

ゲーム中は完全に『主人公=プレイヤー自身』
よく『感情輸入できるゲーム』というのを求める人がいますが、このゲームはその感情輸入度という面においては最高峰ではないかと私は思います。
プレイヤーの操作する主人公は、『ゴードン・フリーマン』という一人の科学者です。
しかし、それはあくまで設定上のみの事であり、ゲーム内でのゴードン・フリーマンはプレイヤー自身なのです。
彼の行う行動は全てプレイヤーの操作に委ねられていて、あなたが動かす人物像がそのままゴードン・フリーマンになるわけです。
言い替えれば、このゲームでは『あなたがゴードン・フリーマンという人物として、ゲーム内の世界に実際に存在する』という事になっているわけです。
したがって、ゲームの途中で強制的にムービーが挿入されたり、プレイヤーの意思に反してゴードンが勝手にイベントを展開したり行動したりといった事はなく、ありとあらゆる状況は全てプレイヤーが自らがその場でゴードン・フリーマン本人として体験する事になります。
例えばゲーム中、科学者達はあなたが近づくと話しかけてきますが、彼らの話を聞きたくなければ、よそ見をしたり話を聞かずに先に進む事も出来ます。
さらに極端な話、あなたがやろうと思えば科学者をその場で射殺する事も可能なのです。
また、科学者やガードマン達はあなたがついて来てくれと頼めばついてきますし、プレイヤーの状況によっては科学者達はあなたを介抱してくれる事もあります。
しかし、だからといってプレイヤーは特に彼らを守ってやる必要は無く、別に無視してしまってもいいし、気に入らなければ撃ち殺しても構わないのです。
ゴードン・フリーマンの行動はプレイヤー自身の行動。
つまり、プレイヤーがやりたいようにやればいいのです。
プレイヤーはゲーム中、自分とゴードンフリーマンが完全にシンクロしているかのようなプレイ感覚を味わう事が出来るのです。
そして、更にこのゲームに対する感情輸入度を更に高めているのが、ゴードン・フリーマンは屈強なスーパーマンでも頑健な肉体を持つ軍人でもなく、あくまで一人の科学者だという事。
上でも書きましたが、このゲームはリアルな演出を前面に出したゲームなので、主人公であるプレイヤーは軍人やスーパーマンといった特別な存在ではなく、一人の研究者となっています。
したがって、高い所から落ちると簡単に大怪我を負いますし、時には死ぬ事もあります。
それに数人がかりで攻撃されるとこれまたあっさり昇天します。
またジャンプ力もそれほど無いし、水中に長い事潜ることも出来ません。
あくまでプレイヤーはごく普通の人間なのです。
生き残るのが目的であるプレイヤーは、映画のヒーローのような非現実的な立ち振る舞いではなく、『一人の人間が生きる為の戦い』をしなければ駄目なのです。
いうなれば『人間であるプレイヤー自身の行動=人間であるゴードン・フリーマンの行動』なのです。

どうも上に挙げた2つの魅力は部分的な説明だけではこのゲームの演出のスゴさを伝えにくいので、ここにこのゲームの序盤での簡単なプレイ記録を載せようと思います。
ゲームをスタートさせると、プレイヤーはブラックメサ研究所に移動中のゴンドラ内部にいます。
画面中央に『HALF-LIFE』のタイトルが表示され、そしておもむろに英語音声で、ブラックメサ研究所に関するガイドが始まり、研究施設内へゴンドラが移動していきます。
そしてゴンドラの移動中には、字幕で登場キャラクターや製作者などが表示されます。
まるで映画のオープニングみたいで、非常に凝った雰囲気満点な演出。
ところで、大抵のゲーム(特に日本のゲーム)の場合、こういった映画的な演出のオープニングシーンは、ムービーや自動イベント進んでいくものなんですが、このゲームではそんな強制的なイベントなどありません。
ゲームは、すでにここから始まっているのです。
したがって、プレイヤーは移動中のゴンドラ内を好きなように動き回って、通りすぎていく研究施設の景色を覗き見る事が出来ます。

初めてプレイするプレイヤーは、このブラックメサ研究所の施設の巨大さに、まるで子供のようにあちこち移動しながら周囲の光景に目を奪われっぱなしになる事間違い無しでしょう。
そしてゴンドラの移動と共に風景は次々に変わっていき、コンテナの運送所、放射性物質の貯水池、ヘリポート、溶接所など、まるで本物の研究施設と思えるほど広く巨大な施設を通りすぎていきます。
もちろんその間にもずっと英語音声で施設の案内や規模などが語られているので、臨場感は満点。
時には『実験室には食料を持ちこんだり、タバコを吸うのは禁止です』といった注意事項も語られたりします(笑)。
さて、ゴンドラが停止すると、『警備員が来るまでドアから離れて御待ち下さい』と言われます。
しばらくして警備員がドアを開けてくれました。そして挨拶もしてきました。
プレイヤーは入り口を抜け、入り口オフィスに向かいます。
なお、オフィスのデスクにいる警備員から、これからプレイヤーがすべき事について伝えられます。

ちなみに入り口近くにあるコンピュータをいじると、科学者の一人に『触るな』と注意されてしまいます(笑)。
プレイヤーは研究所を進み、ロッカールームに向かいます。
通路で出会う科学者達に話しかけても、『今実験中なんだ。後にしてくれないか』といわれててんで相手にしてくれません。
皆さん忙しいようですね。
ロッカールームに行く途中、休憩所に寄ると、そこには自動販売機と電子レンジが置かれていました。
そこにいる科学者は自動販売機から飲み物が出てこないのに腹を立てて販売機を叩いています(笑)。

余談ですがここには電子レンジが置いてあり、プレイヤーがいじると中のスープらしき食べ物が破裂して『おい!何やってるんだ!』と怒られてしまいます(笑)。
さて、そんなこんなでロッカールームに到着。
隣の部屋にHEVスーツ保管所があったので、これを着用します。
ロッカールームの中にはトイレと洗面所がありました。
洗面所隣の乾燥機のスイッチを入れると『ブィーン』と音が鳴ります。
トイレは使用中のようです。
ドアを開けようとすると『ゴホンゴホン』というセキ払いが聞こえてきました。
う〜ん、凝ってる。
HEVスーツを着用して実験に参加する準備が整ったので、実験場に向かいます。
警備員にドアを開けてもらい、エレベーターで下におります。
ここらで場内アナウンスが入るといった細かな演出もあります。
なお、実験室に向かう途中で、コンピュータルームでちょっとしたトラブルが起きます。 しかし、特に問題はないらしいので、かまわず実験場に。
実験場では2人の科学者達が実験の手順について説明します。
そして話が終わると、実験場のドアを開けてくれます。
このドアは2人が同時にロック解除しないと開かないようになっているらしく、2人の科学者は同時に2つの電子ロックに網膜スキャンでアクセスします。
映画などでこのような厳重なセキュリティロックのシーンはよく見かけますが、このゲームでもそれを再現しているあたり、実に芸が細かい。
さて、実験場に入ると科学者達があなたにパネルを操作しろと指示を出します。
ちなみにこのシーンですが、ちゃんとマイクのスイッチが入った直後は『アー、アー、テスティン、テスティン』といったマイクのテストがされるといった細かな演出もあります。 こだわり具合がハンパじゃない。
プレイヤーがパネルを操作すると、実験が開始されたようで、中央の装置に電流が流れます。
しばらくのち、大きなカートらしきモノが運び込まれ、プレイヤーはそれを中央の装置まで押しこむようにと指示されます。
カートの先には何やら特殊な科学物質が取り付けられているようです。
そしてプレイヤーがそのカートを中央の装置まで押しこむと……!?
ここから先は、実際にプレイして体験してください。

すばらしい音響効果
このゲームの登場は1998年ですが、しかし音に関しては当時のそれまでに出た様々なゲームと比べても、最高に近いほどの音響効果だといっても決して過言ではないと思います。
何が凄いかというと、EAXなどを使用した、立体音響。
どういうものかというと、このゲームの効果音は、プレイヤーがいる場所によって同じ音でも響きが変わるのです。
例えばプレイヤーがコンクリートの通路を歩いていると乾いた足音がし、鉄骨の床を歩くとガンガンと金属音が鳴り響きます。 また、水の上を歩くとちゃんと水の跳ねる音がします。
銃の音も種類ごとに全て違い、さらには薬莢の落ちた音も鳴ったりします。
ただ、これだけなら他のゲームでもよくやっている事なので、特に珍しくも何ともないんですよね。
しかし、このゲームの凄い所は、それらの音がプレイヤーの立っている場所、状況によって細かく変化するという事。
例えば先ほど挙げたコンクリート上での乾いた足音の場合、狭い通路ならばごく普通に聞こえますが、天井が高い場所や広い場所などでは音にエコーがかかります。
しかもそれだけではなく、その場所の広さや壁の位置によって細かく変化もするのです。
広い場所からだんだんと狭い場所に行くと足音も段々と響きが変わっていき、また壁際を歩いていると壁の方から足音の反射音が聞こえたりするという具合に。
鉄骨の音も、狭い場所ならキンキン音が跳ね返るような感じで、広い場所なら音が広がります。 また、狭い通風孔やトンネルの中だとガンガン反響します。
もちろん科学者の話し声やバールで壁を叩いたりする音も、狭い場所ならごく普通に聞こえ、広い場所や金属で囲まれた場所などでは音が響きます。
中でも、ホールや吹き抜けのような広い場所で銃を撃つと、『ダーン……ダーン……ダーン………』と発射音が何度もこだまするというのには脱帽。
さらにそれだけでなく、先ほど言った銃の薬莢の音も、ちゃんと落ちた瞬間に合わせてキンキンと鳴るという凝りよう。 それも、薬莢が地面に落ちなかったのなら(穴に落ちたりなど)音はしないし、高い所から薬莢を落とした場合でも、ちゃんと落ちた瞬間に合わせて音が鳴るようになっています。
いやはや、スゴイです。
音のこだわり方がハンパじゃない。
ちなみに音楽はゲームの雰囲気に合わせてか、緊張感のある曲が多いです。
それも、普通のゲームのように常に鳴りっぱなしというわけではなく、ある場所や演出が始まったら突然鳴り出すというモノです。
たとえば科学者の死体がゴロゴロしている場所に来ると、突然不気味なバックミュージックが流れる、兵士との銃撃戦が始まるとアップテンポな曲がかかるなど。
これが映画的でなかなかニクイ演出です。
とにかく、このゲームでの『音』はとてつもなくすばらしいので、プレイするのならばぜひともヘッドホン着用、もしくは大音響でプレイするのがいいでしょう。

ゲームとしての完成度が高い
このゲームは俗に『DOOM』タイプと呼ばれていて、基本的にはアクションゲームです。
『DOOM』タイプのゲームは、プレイヤーは立体的に構築されたマップ内を移動し、敵と戦いつつ、出口まで辿り着けばクリアというのが基本ルールとなっています。
このゲームも基本的に『敵と戦いつつ先に進む』というのが主なルールとなっていますが、しかし同タイプのゲームとは異なり、謎解きが非常に多く盛り込まれているのです。
もちろん戦闘シーンも数多くあるんですが、しかしそれと同等なくらい謎解きや探索をするシーンが多く、単純にドンパチをやらかすだけのゲームとは違います。
かといってアクション性が低いかというとそんな事はなく、敵との激しい戦闘や銃撃戦の他に、狭い足場を渡ったり、水の中を泳いだり、小さな足場をジャンプで渡ったり、高い所を移動したり、足場の悪い所で戦ったりなど、アクション性は決して低くありません。
また敵との戦いも、単に直接攻撃をするだけではなく、立地条件を利用したり罠を仕掛けたり、敵の武器を利用したりなど、様々な戦い方が出来ます。なので一見して難解な戦闘でも、少し考えれば案外簡単に抜ける事が出来たりといった事もあるのです。
そしてそれら戦闘シーンや探索シーンが非常に多彩なシチュエーションと場所のもとで展開されるので、プレイしていてだれるという事がありません。
単純に考えればこのゲーム、『敵を倒しつつ、先に進む』だけのゲームといえるんですが、しかしその展開が時にはシェルター、時には屋外、時には断崖絶壁、時にはモノレールの上でなど、次々に場所が変わっていく上に、その場所毎に違った展開や演出を見せるので、クリアするまでの間、プレイヤーを飽きさせないのです。
飽きずにプレイできるゲームとしての完成度は折り紙付き、といえます。

多彩で変化に富んだマップ構成
このゲームはリアルさが売りのゲームなので、ステージクリアなどといった概念はなく、ゲーム全体が一つの大きなマップとなっています。
いわゆる『バイオハザード』や『メタルギアソリッド』みたいな感じですか。
したがって、可能ならばずっと前に戻って取り忘れた武器を取ってくることも出来ますし、最初来た時には全く手が届かなかった場所なども、随分後になってからいけたりします。
またそのマップもかなりリアルに作りこまれていて、それぞれの構成が距離的にも位置的にもしっかり作られているんですよね。
それに、一見して行くのが不可能に思えるような場所でも、少し回り道をすれば案外スッといけるような場所もけっこうあります。
また、アイテムは取らなければずっとその場に残っているし、敵との死闘で出来た血痕なども消えずにずっと残っています。
更にこのゲームの凄いのは、このゲームのマップは『バイオハザード』シリーズのようにちょっと時間をかければ最初の地点まで簡単に戻れるといった小さなものではなく、恐ろしく広いという事。
このマップ、プレイした感じでは全体の広さはおそらく、ちょっとした町くらいの大きさはあると思います。
さすが軍用研究施設なだけあって、とにかく広い!
それも同じような無味乾燥な景色が延々と続くのではなく、様々な通路や場所を通り抜けていくので、場所によって景色がガラリと変わる。
景色の変化が豊富で、見ていて飽きません。
マップはボリュームたっぷりなのです。

秀逸な敵のデザイン、そしてAI
敵はエイリアンや兵士、赤外線センサー式の機銃や戦車など、非常に多彩です。
特にエイリアンの種類が豊富で、大小様々な種類のエイリアン達がプレイヤーの行く手を阻みます。
またエイリアンの姿も千差万別で、グロテスクなのもいれば妙に可愛らしいのもいたりします。
もちろんエイリアンの種類が違えば特徴も違い、おとなしいエイリアンや、手出ししない限りこちらには無関心なエイリアン、他のエイリアンを襲っているやつなどもいたりします。
そしてその敵達のAI、いわゆる行動パターンもすばらしくよく出来ています。
例えばあるエイリアンの場合、大抵はこちらを発見すると一目散に追いかけて攻撃してきますが、こちらが反撃したり一定量ダメージを与えたりすると、一目散に逃げたり仲間を呼んできたりします。 これだけでも見ててけっこう面白い。
良く出来ています。
しかし、真に凄いのは、物語の中盤以降で出てくる敵兵士達のAIです。
おそらく、当時のどのゲームよりも優れたAIを持っているといってもおかしくないくらいよく出来ている、と言えるほどです。
敵兵士はこちらを発見するとすぐさま攻撃してきますが、しかし彼らはただ正面から銃を撃ってくるだけではなく、物陰に隠れる、回りこんで側面や後方から攻撃、二人以上で挟撃、こちらが反撃すると物陰に隠れる、障害物越しにグレネードランチャーを発射、物陰から手榴弾を投げ込んで来る、こちらが手榴弾を投げると回避する、ダメージを受けると足を引きずって逃げ出す、弾倉を交換するために一時撤退、敵が入り込めないような所に逃げ込むとそこに手榴弾を投げ込んでくる、など、とにかく行動パターンが多彩。
しかもそれだけではなく、それらの行動パターンを状況に合わせてある程度臨機応変に行うのです。
例えば一度挟み撃ちでやられたので、次のプレイでは挟み撃ちされないように注意していると、今度は別のパターンで攻撃してきます。
つまり、戦い方をパターン化する事が出来ず、勝つには戦略性を持って戦わなければならないのです。
このように、敵の兵士のAIがかなり秀逸なので、彼らはあなたの前に大きな壁として立ちはだかる事でしょう。
手強いです。
ちなみに敵兵士よりも更に手強い敵もいるんですが、それはプレイしてのお楽しみ……。

雰囲気満点でリアルなグラフィック
かなり綺麗です。
いや、もちろんこれを書いている今(2001年)のゲームと比べると幾分見劣りしますが、しかしそれでも水準的にはかなりのものだと思います。
もちろん当時のゲームの中ではトップクラス。
特に電灯などの光源処理や、水のうねり、コンクリートや金属の質感がかなり良いです。
中でも、放射性物質のあるエリアでの緑の光源処理や、工業地帯の赤錆びた光具合などはとても美しい。
さらにエイリアンの造形も秀逸で、そのどれもが似通っていず、違ったデザインをしているのがスゴイ。
また、キャラクターのポリゴン数も当時にしてはかなり多く、何でも一体のキャラクターに使用しているポリゴン数は当時のゲームの中でも最も多かったんだとか。
それにそのキャラクターの造形も細かく、関節の隙間がちゃんとポリゴンで埋められていますし、しゃべっているシーンではちゃんとセリフに同調して口パクしています。
銃やバールで壁を攻撃すると跡が残ったりもします。
また、敵を攻撃したり攻撃を受けたりすると壁に血痕が付着するんですが、これが妙に生々しくてリアル。
何だかどす黒い血飛沫が本当に飛び散ったような感じを醸し出してます。
さらに、ゴキブリを踏み潰すと跡が残ったり(げっ!)、爆弾などが爆発するとそこに焦げ跡が残ったりなども。
他にも死体の側で爆弾が爆発するとバラバラになったり、人間の場合はその破片の中に頭蓋骨があったりなど(げげっ!)、本当にスゴイ。
またプレイヤーの武器のモデリングも非常に細かく、リロード時のアクションもカッコイイ。
とにかく、グラフィックはすばらしいです。
ちなみにこれはOpenGL、ダイレクト3Dを使用した場合の事であり、ソフトウェアレンダリングではありません。
ソフトウェアだと画像は劣化しますが、しかしそれでも他のゲームに比べると画質の劣化は最小限に押さえられています。

システム面においても非常に親切設計
よく『洋ゲーはやたらに難易度が高くて大味』という声をよく聞きますが、それは間違いです。
このゲームはとにかくユーザーにやりやすいように出来てる。
例えばこのゲームには『HAZARD COURSE(ハザードコース)』という練習モードが付属されていて、プレイヤーはここでゲーム中の基本的な操作を練習し、覚えることが出来ます。
それも無味乾燥なものではなく、音声付きのガイドが一つ一つ詳しく説明してくれるので、まさに実際に練習しているような感じです。
また、この『HAZARD COURSE』は本編からは独立しているモノなので、この手のゲームに慣れているプレイヤーならば別にやらなくても良いし、逆に慣れていない人ならば本編のプレイを中断して何度でも練習する事が可能という親切設計。

ゲーム本編も、スタート時にEasy、Normal、Hardの3つの難易度から選択出来るようになっていて、プレイヤーは自分の腕前に合わせてプレイできます。
次に、いつでもどこでもセーブ出来るというのが親切。
プレイ中ならばいつでもメニューを呼び出してゲームのプレイデータをセーブできる上に、メニューを呼び出さずにボタン一つで実行できるクイックセーブ、クイックロードという便利な機能もあります。
さらにそれだけではなく、特定の場所では自動でセーブされるオートセーブ機能までついているので、長い間セーブしないでゲームオーバーになってかなり前から再開するハメになったり死ぬ直前にクイックセーブしてしまってハマったりする事のないように、オートセーブした所から再開できるようになっているなどの至れり尽せりぶり。
これほどの親切設計は、そんじょそこらの家庭用ゲーム機のゲームでもまずないんじゃないでしょうか。
また、PCゲームではサウンドやグラフィックに関する細かな設定などがややこしいとよくいわれますが、このゲームではそれらの細かい設定はソフト側がある程度自動で認識、設定してくれるので、プレイヤーは解像度などの基本的な項目のみを指定するだけで良いという親切設計となっています。
こういった細かな気配りがうれしいですね。
そして更に親切なのが、ゲーム中にハマる事がほとんどないという事。
このゲームは自由度が高いのでプレイヤーは色々な行動を行えますが、しかしドアを開けてくれる科学者を殺してしまったりなど、クリア不可能な状況に陥るとそこで画面が暗くなりゲームオーバーになってしまいます。
つまり、ハマッてしまったのに気付かずに延々とさまよわないようにという設計になっているわけですね。

シナリオモードだけでなくネットプレイも楽しい
PCゲームの多くはインターネット上でのプレイが出来るようになっていますが、このゲームも当然ネットプレイに対応しています。
このゲームでのネットプレイの特徴は、ゲームの種類がかなり豊富だということ。
自分以外は全て敵でとにかく相手を倒して倒して倒しまくるというタイプの『デスマッチ』はもちろん、二手のチームに分かれ争うチーム戦、相手の陣地から旗を奪い取ってくる旗取り合戦、特殊部隊の一員となって任務をこなしていく『COUNTER STRIKE』、協力プレイの『COOP』、他にもマトリックスタイプのモノやファンタジー世界を舞台にしたモノなど、とにかく種類が多彩。
特に旗取り合戦は『Team Fortress』と呼ばれ、見た目やプレイ感覚など、もうほとんど別のゲームです。
さらに『COUNTER STRIKE』などは、これまた見た目が完全に別なゲームな上に、そのあまりの面白さと完成度の高さから、これ自体が単体のソフトとして発売されたほどです。
とにかくこのソフト一つあるだけで様々なネットプレイが楽しめるので、非常にコストパフォーマンスの高いソフトだといえます(ネット接続料金は置いといて)

追加シナリオなどの、アドオン関係が非常に充実
このゲームのCD-ROMには、『マップエディター』というツールが同梱されていて、これを使う事によりユーザー自らがオリジナルのマップやシナリオを製作する事が出来ます。
何でも、このゲームの本編もこのツールを使って作られたんだとか。
したがって、可能であれば本家を超えるようなマップやシナリオを製作する事も出来るのです。
もうすでに数百ものユーザー製作のオリジナルマップがネット上で公開されており、本編の続編的な内容のモノや、完全にオリジナルな世界観を構築しているモノ、中には単体で出しても十分に通用するほどの完成度の高いマップなどもあったりします。
私も今まで十数ほどのマップをダウンロードしてプレイしましたが、その中でも『USS DARKSTAR』や『PEACES
LIKE US』、『THEY HUNGER』というシナリオはダントツの完成度でしかもとても面白い。
中でも『THEY HUNGER』は特にお気に入り。
このシナリオは『ゾンビ』を題材にしたもので、片田舎の小さな町が舞台です。
一言でいってしまえば一人称視点で行う『バイオハザード』ともいえるんですが、その完成度がハンパじゃない。
ゲームのシステム自体はHALF-LIFEに違いは無いのですが、しかしグラフィックや敵は全てオリジナルのモノを使用していて、見た目完全に別のゲーム。
ゲーム内容はかなりおどろおどろしい雰囲気で、そして視点が一人称なので、振り向いた瞬間に敵がいたり、十数ものゾンビにじわじわと囲まれたりなど、プレイ感覚は『バイオハザード』よりも遥かに怖い。
もうこれだけを一つのパッケージとして販売してもいいんじゃないかと思えるほどの出来です。
本編をクリアした後は、ぜひともダウンロードしてプレイしてほしいシナリオです。
なお、この『THEY HUNGER』は、エピソード1、エピソード2、エピソード3の3部作で構成されています。

HALF-LIFEの欠点
以上、このゲームのすばらしい所を長々と(だらだらと?)書き連ねてきました。
もう褒めまくりのべた褒めですな。
まあそれくらいすばらしく楽しいゲームだという事です。
がしかし、いくらすばらしいといっても、やはり欠点もあります。
一つは、アクションゲームとしてみた場合、難易度がかなり高いという事。
というのも、プレイヤーはごく普通の人間という設定なので、とにかく死に易い。
少し高い場所から落ちるとすぐに死にますし、ダメージを回復する手段も無限ではなくかなり限られています。
アクション自体もかなり高度で、特に後半などはやり過ぎ!といえるくらい微妙なアクションが連続で要求されます。
このゲームはプレイ前に3つの難易度を選択する事が出来ますが、しかし慣れないプレイヤーにとってはEasyでもなかなか難しいと思います。
なぜならば敵の体力や攻撃力、薬の回復量こそNormalやHardよりも優しくなりますが、しかし移動時に要求されるアクションは他のモードと大差はないからです。
例として小さな足場をジャンプして渡っていかなければならない場所(落ちれば一発死)などは、EasyでもHardでも同じ手順で通らなければならないのです。
なので、プレイするには幾分敷居が高いのは確かですね。
まあでも、このゲームにはクイックセーブとクイックロード、オートセーブなどの親切な機能がついているので、こまめにセーブしておけばそれほどハマる事はないです。
ちなみに個人的には、このゲームはNormal以上でプレイするのをオススメしたいですね。
やはりサスペンス的でサバイバル的な展開の多いゲームなので、何時死ぬかわからないという緊張感が随時味わえるNormal以上(できればHard)でプレイするのが、このゲームの魅力を堪能できると思います。
さて、もう一つの欠点は、ソフト自体が英語版しか存在しないという事。
すなわち日本語に作りなおされたモノが出ていず、輸入版のみなんですよね。
もちろん正規輸入版のマニュアルは日本語に翻訳されてはいるんですが、しかしゲーム中のメッセージは音声も含めて全て英語になっています。
なので、英語が苦手な人にとっては辛い事この上ない。
時には謎解きに重要なセリフなども語られたりするので、人によってはセリフの意味がわからないのでゲームの進め方が分からなくなる事もあるらしいです。
といっても、このゲームの場合、基本的に通るべき道は一本道な上に、ゲーム中のキャラクターの雰囲気や周囲の状況などから、今現在何が起こっていて何をすればいいのかというのがある程度推測できるようになっているので、英語が分からなくてもよほどの事がない限り詰まる事はないと思います。でも、英語が駄目な方にはゲーム中に何が話されているのが全く分からないというのはやっぱりつまらないみたいなので、ちゃんとした日本語版が出てほしいですねえ。
このゲームに限らず、PCゲームをプレイする上では英語の壁というのは多くの人にとって非常にキツイものだと思います。
しかし、楽しいものをプレイするにはある程度の障害があるのも事実。 慣れましょう。
実際、ある程度なれてしまえばあまり気にならなりますし、大体感覚でわかるようになります。
もちろん、英語をある程度知っていれば更に面白いモノになります。
後、他に粗捜し的にこまごました欠点をあげるならば、キャラクターの顔と声の使い回しが多い、終盤では謎解きが少なく高度なアクション主体の展開になっている、解像度を高めると照準が小さくなる、ダメージを受けたときの表示が少し地味で分かりにくい、などですね。

以上のようにいくつかの欠点もあるゲームですが、しかし総合的に見ればその欠点を差し引いても絶対に買って損はしないのは確かです。
とにかく買って、すぐさまプレイしましょう!

ちなみにこのゲームはかなりの大ヒットとなったので、パッケージにもいくつかの種類が存在します。
通常パッケージの他に、『Opposing Force』というアドオン(追加シナリオ)が同梱されたパッケージ、そしてネット対戦専用の『Team Fortress』と『COUNTER
STRIKE』という拡張パックが同梱されたミレニアムパックなどが代表的です。
ところで上にあげた『Opposing Force』という追加シナリオですが、このシナリオの主人公はゴードン・フリーマンと敵対していた軍の兵士の一人で、ストーリーも本編と完全に繋がっています。
機会があれば是非ともこのシナリオもプレイして欲しいですね。
特に本編をクリアした後にこのシナリオをプレイすると、このゲームをより深く味わい楽しむ事が出来るでしょう。
他に『Blue-Shift』という公式追加シナリオもあります。
さて、次は、ゲームシステムや舞台設定、登場人物と武器の紹介、ちょっとしたテクニック、エンディングのメッセージの翻訳などを掲載しようと思います。クリックしてください。
2001年3月26日









